買ったら罰金、消費税
数年前のことですが、筆者が若かりし頃一人暮らしを始めた時に買ったソファを、新宿3丁目の家具店で20年ぶりに買い替えました。そのとき請求書に書かれた消費税の金額に、何とも釈然としない気持ちになりました。
もう中年の筆者にも決して安い買い物ではないので、「これがなければ諦めたソファが買えたのに」、「何の得もしない金をなぜこんなに払わなければいけないのか」と、ソファを買い替えた喜びに大いに水を差されたものでした。
消費税の導入は、緊縮教カルト財務省の「安定財源」の悲願達成と、経済界の法人税減税圧力の産物であることは、もはや疑いのないところです。
しかし消費者への転嫁を建前とする消費税の導入は、内需依存度の高い日本において悪手であると言わざるをえないでしょう。その証拠に、ソファ代に含まれた消費税は筆者の消費マインドを大きく冷え込ませました。
税金の主な役割は、①好景気・不景気時における景気の調整弁、②たばこ税・酒税などの消費抑制目的(ペナルティ)、③納付通貨とすることによる円の価値の維持と言われますが、消費税はまさに「消費に対するペナルティ(罰金)」です。
政府と経団連は、3%、5%、8%、10%と増税を続けてきた消費税率を、さらに引き上げようと目論んでいます。こうした暴挙がおこなわれるたび、国民経済から「気」が奪われていったのではないでしょうか。
政府の長年の失政により国民の賃金と所得が下がり続けるなか、逆進性の強い消費税の廃止を求める声は、党派を超えて大きくなりつつあります。
政府が国民の貧困化に血道をあげる状況では、消費税廃止により国民の負担を取り除き、景気にふたたび息を吹き込む必要があることが、多くの国民の声となっていくでしょう。
もちろん長期的には、国債発行を通じた積極財政により日本経済を拡大・成長させ、物価と賃金を安定的に上げていかなければなりません。
近年は、日本人がお買い物ツアーに出かけていた国々から、安さを求めて外国人観光客が続々と訪れています。かつての「経済大国日本」は、「人も物もお買い得な国」に成り果てました。