【声明】統一教会への解散命令について
2025年3月25日、文部科学省による統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への解散命令が東京地方裁判所によって正式に下されました。この判断は、私たちの長年の訴えと、多くの被害者の苦しみに真摯に向き合った結果として、大きな一歩を刻んだものです。
統一教会が行ってきた、数々の高額献金の強要、精神的支配による自由意志の剥奪、さらには家族関係の破壊などの行為は、もはや宗教の名を語ることすら許されない、公共の福祉を著しく害する行為でした。これは単なる宗教トラブルではなく、戦後最悪とも言える組織的被害であり、法の下で断固とした対応が求められる事案だったのです。
私たちは、以前より反統一教会の立場から継続的な活動を行ってまいりました。しかし、2023年10月に当時の文部科学大臣が教団への解散命令を正式に請求した段階で、私たちの行動が法的手続きの妨げとならぬよう、活動を一時的に休止しておりました。
この間も、私たちは教団と関係を持ち続けた一部政治家の責任を重く見ています。信教の自由を盾にした政治的加担は、到底許されるものではありません。これらの政治家は、即刻その立場を退き、国民に対して謝罪と説明責任を果たすべきです。
教団側は、本日の解散命令を不服として抗告の意思を示しているとの報道もあります。法的結論にはまだ時間がかかるかもしれません。しかし、いま何より急がれるべきは、長年苦しめられてきた元信者や宗教2世たちの救済です。
また、今後同様の被害を繰り返さないためにも、フランスの「セクト法」にならった、日本版のカルト対策法の制定が急務です。信仰の自由は憲法に守られた基本的人権であり、当然ながら、信じる自由と同時に信じない自由も保障されなければなりません。
今回のような国家の判断に対して、今後、一部の狂信的信者の間で「国による宗教迫害だ」という認識が強まり、外部への攻撃性が先鋭化するリスクも想定されます。この点については社会全体で冷静に、しかし毅然とした対処が求められます。
統一教会に対する解散命令は、ゴールではなくスタートです。これから私たちが目指すべき社会は、ただ「悪しき団体を取り締まる」ことだけではありません。人が孤立せず、心の隙間に付け込まれない社会基盤の再構築こそが本当の課題です。
特に、カルト宗教に取り込まれる背景には、「家族や社会からの孤立」「経済的困窮」「心の不安」などが密接に関係しています。これらを未然に防ぐために、社会全体として心のケア、生活の支援、教育の充実といった土壌づくりが必要不可欠です。
同時に、今後は統一教会に限らず、あらゆるカルト的傾向を持つ団体への監視と情報公開の強化が求められます。信教の自由を盾にした搾取や洗脳が繰り返されないよう、法制度の整備だけでなく、教育現場での「宗教と人権」に関するリテラシー教育の導入も検討すべきです。
カルト問題の本質は、目に見える組織の存在だけではありません。情報弱者を狙い、信仰の名のもとに人生を支配する構造そのものです。これに立ち向かうには、法と制度の力だけでなく、国民一人ひとりの知識と判断力の向上が重要です。
学校教育の中で、宗教そのものを否定するのではなく、「どのような団体が危険なのか」「自分の心が弱ったとき、どう対処すればよいか」といった自衛のための教育が必要です。宗教に限らず、マルチ商法や陰謀論などにも共通する“取り込まれ方”の構造を理解することが、これからの日本社会を健全に保つ基盤となるはずです。
本日の解散命令は、多くの犠牲の上にようやく辿り着いた歴史的判断です。いまだ癒えない傷を抱える被害者の皆様の声に耳を傾け、国家として、社会として、再発防止と救済を本気で進める覚悟が問われています。
私たちはこれからも、カルト問題に対して沈黙せず、冷静かつ断固とした姿勢で立ち向かう覚悟です。
信仰の自由は守られなければならない。しかし、自由の名のもとに人の人生を壊す行為は、決して許されてはならない。
日本が日本であり続け、日本人が日本人であり続ける、日本の未来を担う子供たちの、その目が輝き続ける。
この理念を胸に、私たちは今後も行動し続けます。
令和7年3月25日
日本のための選択肢
代表 中村 和弘